賃貸店舗を契約する前にチェックしておきたいこと

賃貸店舗を借りるときには賃料や敷金などを把握しておくだけでなく、建物や設備について細かくチェックすることが必要になります。例えば飲食店を開業する場合は、厨房機器がそのまま使えるか、作業動線は合理的なものになっているかを見ておくべきです。小売店の場合は思い描く売り場を作るスペースがあるか、店舗外にはみ出して売り場を作ることは可能かなどがポイントになります。業種によって重要なポイントは異なりますが、費用の面だけでなく、実際にそこで仕事を行う状況を細かくイメージしましょう。間取り図を持ち帰り、機材などをセッティングした状況をシミュレートしておくと役立ちます。また、周辺に競合する店舗が入っていないかも調べておきましょう。不利な点がある物件には手を出すべきではありません。

作業動線の重要性は非常に高いです

飲食店において、厨房のレイアウトは非常に重要な問題になります。商売である以上、オーダーが集中する時間帯は必ずあり、その時には迅速に注文を捌かなければなりません。調理をしている場所から客席までに間に通路が細い場所がある賃貸店舗は要注意です。作られた料理が客席に行く動きと、食べ終わった食器を洗い場に戻す動きが必ず存在し、通りにくい場所があるとそこで生産効率が下がります。また棚の高さなどもタイムロスの原因になりますので、メインで調理を行う人が扱いやすい高さであることも重要です。飲食店は開業から5年以内に80%以上が閉店すると言われており、競争に勝ち抜くためには味だけでなく、より生産性の高い空間であることが必要になります。成功するかどうかの大きな要素を賃貸店舗は担っています。

居抜き物件のメリットは考え方次第です

賃貸店舗に居抜き物件を利用する場合、既に設備が整っていることが多く、初期投資が抑えられますし、開店までの期間も短く済みます。それだけであれば迷わず利用するべきですが、よく似た商売で失敗した経緯がある物件とも言えるわけで、あまりイメージの良いものではありません。同じ場所で失敗した商売で成功することは非常に難しいと言えます。また、前に利用していた店舗からレイアウトを大幅に変えることはできませんので、自分が作りたいイメージに沿うものかを判断しなければなりません。もし居抜き物件を利用する場合は、前店舗の評判や、閉店した理由を尋ねておくと予期しないリスクを減らすことができるでしょう。商売の開始はタイミングが大切ですが、あまり焦って物件を決めないようにしましょう。